経営・組織論
経営・組織論についてです。人生は、いつまでにITパスポートの試験に合格するとか、何歳までに結婚するといったような、こうなりたいというビジョンをもとに、長期的な人生設計を立てると思います。また、人生プランを立てたとしても、周囲の環境が変わり、プランを変更するような状況になるかもしれません。そして企業も人生のように、企業活動に長期的なプランを立てて、時にはプランを変更させなければならなくなったりと、企業は経営理念や経営ビジョンを持ち、大きく成長していくことになります。
企業は株主から資本を集め、資本を使ってヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を入手し、利益を上げることが求められますが、経営・組織論は、企業の基本的な活動の目的、経営資源の種類や企業の組織、経営管理や企業をとりまく環境についての、基本的な考え方について学習します。
経営理念
経営理念は、企業が活動するさいの、存在意義や価値観、組織の目的などの基本的な考え方を示したもののこと。
企業は従業員が、日々適当に業務をこなしているようなイメージですが、実はそうではなく、経営理念を考え、経営理念の考え方から、経営ビジョンを生み出し、経営ビジョンをもとに経営戦略を立てて、その戦略を達成するために、社員が日々の業務を行っているんですね。そして企業は成長して、なりたい理想像に近づいていくことになります。
CSR
企業の社会的責任ともいい、企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的に社会に貢献する責任のことです。
社会の中で個人と比べて企業の影響は、大きくて責任があると考えられています。例えば、企業が倒産するとそこで働いている従業員は無収入になり、従業員の人生設計が大きく狂います。また、銀行に借金をしていれば、銀行は借金を返してもらうことができなくなるので、銀行はダメージを負います。その他、環境面でいえば、企業は利潤を追い求めるあまり、時には環境破壊や公害などを、引き起こしたりもします。
このことから企業は、社会の中で大きな影響を与えているので、企業の事業活動については、適切に意思決定をしていかなければならないという、社会的責任があると考えられています。
グリーンITもCSRと同じ考えで、主に情報通信技術についてですが、省エネや環境保護や資源の有効活用など、地球環境に配慮して行おうという考え方です。
経営資源
経営資源は、経営していく上で必要な知識、ヒト、モノ、カネ、情報に対する考え方や、管理手法についての学習です。最近だとIT技術を利用した経営資源が増えてきている印象です。
ダイバーシティ
多様性ともいい、性別や年齢など一切の属性を問わず、多様な人材を活用しようという考え方。多様な人材を活用することで、生産性を高めることや、労働人口不足の解消や、斬新なアイディアが生まれるかもしれないという狙いがある。
CDP
キャリアディベロップメントプログラム。社員の数年から10数年先のキャリアを定め、中長期的なキャリアを達成するために、能力や経験を計画的に支援していくためのしくみ。社員を使い捨てるのではなく、育てて大きくなってもらい、さらに稼いでもらおうという考え方。
コーチング
人材育成の手法。自発的行動を促進するコミュニケーション。単に仕事の仕方を教えるのではなく、自ら考えて問題解決できるように導こうとする指導方法。
アダプティブラーニング
適応学習と訳され、IT技術を活用した教育サービス「EdTech」の一つ。生徒一人ひとりに、最適化されたコンテンツを提供することで、効率的に学習を進めていくことができる。
メンタルヘルス
精神的健康。
HRテック
HRテックは、「HR(Human Resource):人的資源」と「テクノロジー(Technology)」を掛け合わせた造語。人工知能やクラウド、ビックデータ解析などの最先端技術を活用して、採用活動や人事評価など、人事業務を効率よく支援するサービス全般を指します。
経営管理
PDCA
PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字を取ったもので、主に生産技術における品質管理などの改善手法に使われます。
・Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
・Do(実行):計画に沿って業務を行う。
・Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを評価する。
・Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。
各段階を順番に行い、1周したら前の周の至らなかった、問題点についてのPlanを作成し、このサイクルを目標に向かって継続的に繰り返すことで、品質管理の改善が行われてゆきます。
BCP
事業継続計画ともいい、災害やシステム障害などの緊急事態が発生したときでも、重要な事業の継続や復旧を図るために、事前に策定しておく計画のこと。
BCM
事業継続マネジメントともいい、災害やシステム障害などの緊急事態が発生したときに、重要な事業の中断を極力抑え、被害を最小限にする経営手段のこと。BCMが経営全般に対して、BCPは計画のみを指します。
ITパスポートにちなんで言うとしたら、システムの稼働時間が当てはまると思います。企業の事業活動にIT技術は、なくてはならない存在になっています。そのため、もしシステムが停止してしまった場合、企業の活動も停止してしまいます。BCPとBCMは、もしシステムが停止してしまったとしても、最小限の事業ができるように考えます。
HRM
人事労務管理といい、経営管理の一つで、企業が従業員に対して人材の採用から育成、報酬、組織設計にいたるまで、経営資源として管理していく考え方。
タレントマネジメント
人材の経歴、能力、志向など、どのようなスキルがあるか把握し、人材のパフォーマンスが最大になるように、戦略的に配置や教育をする取り組み。
経営組織
経営組織です。組織は、ある目的を達成するために、複数の人で形作られた共同体です。企業で言えば社長や部長、課長や一般社員が組織の要素になります。経営組織の節は組織、人と人との関係性が焦点になります。ITパスポートでは、それほど突っ込んで聞かれることはないと思います。組織の構造と名称がイメージできていればいいと思います。
階層型組織
従来から存在する企業の組織形態の1つ。社長、部長、課長、係長、一般社員といった階層別に組織されており、上位職の指揮命令に従って下位職が働く。通常、指揮命令系統は1つであり、トップダウンで行われる。ピラミッド型組織ともいわれる。
一般的に企業の組織構造をイメージすると、トップに社長がいて、一番下に平社員がいて、という階層型組織を思い浮かべると思います。公務員の組織構造なんかもそうですね。しかし階層型組織には、横のつながりがなく、縦割りとか、縄張り意識とか、階層型組織にもデメリットがあります。そこで他の組織構造が考え出されるようになりました。
事業部制組織
提供する製品やサービスごとに役割分担された組織構造。事業部に必要な機能が含まれているので、事業内で自己完結する。
機能別組織
開発、営業、生産、人事、経理など仕事内容別に編成した組織構造。
職能別組織
機能別組織と同じ意味。
マトリックス組織
職能別、製品別、事業別、エリア別などの業務要素を組み合わせた組織構造。例えば従業員は、営業部門(職能別)のソフトウェア事業部(事業別)に所属して、複数の業務をこなすことになります。
プロジェクト組織
プロジェクトというのは、特定の目的のために、臨時で招集された非定常的な活動のことで、プロジェクトを遂行するための組織構造。プロジェクト終了とともに、解散されます。
カンパニ制
1つの企業を事業分野ごとに独立性をさらに高め、社内に複数の企業が集合しているように見立てた組織構造。独立性が高いので、財務諸表は別々に扱われ、投資をすることもできる。